2009年 03月 19日
苗代川の片口

苗代川焼は、薩摩焼の中でも黒もんと呼ばれる
庶民の日用品を今でも焼き続けている窯。

その歴史は長く、文禄、慶長の役の際、連れて来られた朝鮮陶工により、
1,599年に開かれた最初の窯からの系統であるという。
古くは白薩摩の金襴手も多く焼いていたらしいが、
苗代川と言えば、やはり堂々たる鉄釉の黒薩摩が有名。

この片口も苗代川から。

よく見る黒もんの分厚い漆黒の釉ではなく、ごく薄い鉄釉が掛けられた片口。
作りも頑強にたくましいと言うよりは、少々繊細な薄造り。
色調は渋めなのだけど、端正さも感じるカタチをもっています。

焦げ茶系なんだけど、深い碧がはいったようにも感じる外の色。
微かな窯変も、じっと見ていると味わい深い。

もっと使い込んで、艶を増すと、より格が上がると思われます。
マッコリなんかを注ぐと、なかなかよろしいではありませぬか。

直径13.5cm、高さ7cm

「小さな片口集めました。」展は、明日からです。どうぞ、おいで下さいませ。

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by muntkidy | 2009-03-19 11:30 | Comments(0)


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